藝大生についての誤解

2016年の記事になりますが、広く読んでいただきたいものがあります。

www.huffingtonpost.jp

 

藝大生(他の全国の美大生も)どうやら人としてより、珍獣として見られている節があるのでしょうか。東京藝術大学のキャンパスは上野動物園と隣接していますので、自嘲的に「上野動物園人間館」「上野動物園ホモ・サピエンス館」ということはありますけれど、このブログのように一般的な世界の人と違うことはありません。最初から交じり合わないものでは決してないのです。

 

実際問題として万人に分かりやすい「個性」や「狂気」を持った人は、藝大よりも普通の社会の方が圧倒的に多いです。またクリエイター群像系のアニメや映画のように、芸術家の卵たちによる、がむしゃらな葛藤といった熱く激しいものは、そんなにありませんよ。むしろそのようなイメージを抱かれて、それを藝大生に投影しても拍子抜けするだけですし、変な誤解を生むので少々迷惑です。黙々と自らの課題に丁寧に取り組む静けさが実態に近いと思います。確かにそれではアニメや映画にはなりませんね。尺が伸ばせないので。

 

行方不明の件についても、進路調査票に返答しないと誰でも「行方不明者」として大学が認識するだけのことです。これは返答の義務が特にないので当然そのような結果になります。卒業生が次々に失踪というのはロマンティックかもしれませんが、単に大学に進路を提出していないだけです。結構な人は細々と活動を続けていたり、アート系の雑誌に載っていたり色々目に見える活動をしているものですが、彼らも書類を出していなければ「行方不明者」です。巨匠と称されている人の中にもそのように扱われている人はいたりします。ですから内部から見ればこの件に面白味はありません。