2017年5月24日 菅木志雄展

友人と六本木のTOMIO KOYAMA GALLERY に行ってきました。菅木志雄の代表格の最新作がずらりも並んでいました。 もの派は1960年代末からの傾向で、木や石といった素材そのままを見せる作品が特徴的です。彼らの一般的な意味で(作らない)姿勢というのが今で…

レオパルディ 講演会 2017年5月12日

東大駒場にて近代イタリアの大詩人レオパルディと近代という講演会に参加しました。久しぶりに脳みそをフルに使った気分です。ローマ大のレオパルディ研究の泰斗が来日し、示唆に富んだ話をたくさんしてくださいました。 19世紀初めを生きた詩人だけあって、…

2017年5月7日 快慶展

奈良国立博物館の快慶展を観てきました。鎌倉時代を代表する仏師の快慶、整った造形とすっきりした顔立ちに写実性以上のものを窺え、深い感動を覚えました。全体だけでなく布の金工模様など細部も、ため息が出るほどの精緻さに彩られています。 快慶は信心深…

2017年5月4日 海北友松展

京都国立博物館で開催中の海北友松展に行ってきました。桃山の大絵師として名前は有名ですが、今回が初の大展覧会ということです。初期は狩野派らしく堅牢な絵画でしたが少しずつ画風が離れていき、晩年の傑作で個性が花開いて行った様子が、美しい物語のよ…

2017年4月30日 光琳と基一展

根津美術館にて開催中の光琳と基一の展覧会に行ってきました。有名な光琳の燕子花図の隣にその系譜を継いだ基一の夏秋渓流図が置かれ、見比べられる内容でした。 それにしても鈴木基一の絵に使われている顔料の生々しさには驚かされます。川の輪郭は金で縁取…

2017年4月23日 茶の湯展

東京国立博物館の茶の湯展を観に行ってきました。タイトル通り茶の湯に関わるものなら何でもありという感じで、多種多様な優品が集っていてスケールの大きな展覧会となっています。 スタートは南宋時代の巨匠たちの絵がずらりと並んで圧巻です。牧谿はもちろ…

2017年4月22日 BABEL展

東京都美術館で開催中のBABEL展に行ってきました。日本では滅多に見られないネーデルランド地方の彫刻や、鬼才ヒエロニムス・ボスの作品などがてんこ盛り、といった感じです。資料系は少なく絵画作品がとても多いので退屈せずに楽しめる構成でした。 今回感…

2017年4月6日 雪村展

非常に良質な展覧会でした。東京藝術大学美術館にて開催中の雪村展です。まず第一に本人の作品が多いということ。東洋西洋問わず展覧会は対象以外の画家の作品をたくさん展示して、言い方は悪いですがスペースを稼ぎます。しかし戦国時代の画家にしては奇跡…

2017年4月4日 シャセリオー展

国立西洋美術館で催されているシャセリオー展に行ってきました。まとまった画業を窺える初の展覧会とあって中々面白かったです。アングルら精密な描写と古典的な調和を愛するグループから、ドラクロワらの情念を剥き出しにしたロマン派へと移っていく様子が…

2017年4月3日 ミュシャ展

絵画の起源は文字が読めない人にもイメージを伝える、つまりは(読む、読ませる)ためのものだと古くから言われてきましたが、この展覧会を観終えた後その意味が分かった気がしました。国立新美術館で開催中のミュシャ展です。 目玉のスラヴ叙事詩はストーリ…

あいちトリエンナーレの騒動について

もめにもめた2019年のあいちトリエンナーレ。逆に「表現の不自由展」について以外に関わったアーティストはどのような気持ちなのでしょうか。あいちトリエンナーレ=「表現の不自由展」となってしまいました。マスコミも世論も愛知県美術館のたった一室で行…

藝大おじさんについて

音楽学部名物といえば「藝大おじさん」ですね。彼らの話はよく聞こえてきます。近年はブログ等で控えめにこの方たちの存在を教える方もいらっしゃいますが、実態はえげつなく衝撃的なものがあります。 クラナッハ『不釣り合いなカップル』(1522年、ブダペス…

藝大生についての誤解

2016年の記事になりますが、広く読んでいただきたいものがあります。 www.huffingtonpost.jp 藝大生(他の全国の美大生も)どうやら人としてより、珍獣として見られている節があるのでしょうか。東京藝術大学のキャンパスは上野動物園と隣接していますので、…

東京藝大の平熱 美術学部

美術学部は音楽学部と違うこととしては、まずそれぞれの科がやっていることが違い過ぎて、美術学部とはこのような感じと軽くまとめることができないところです。学生の雰囲気は大まかに言って音楽学部はお坊ちゃまお嬢様、美術学部は少し治安の悪い感じです…

東京藝大の平熱 音楽学部

私は東京藝術大学に在籍している者です。この大学への関心は澤学長や学生たちの盛んな情報発信のおかげでしょうか、年々高まっているのを感じます。「さんまの東大方程式」でも藝大特集が組まれたことや、二宮敦人氏の本「最後の秘境 東京藝大-天才たちのカ…